FC2ブログ

バガボンド和歌山

ARTICLE PAGE

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グラフィック・デザイナーの仕事

SnapCrab_NoName_2017-9-28_16-51-21_No-00.png
グラフィック・デザイナーの仕事
出版社: 平凡社 (2003/6/26) /単行本: 140ページ

祖父江 慎
クラフト・エヴィング商會
角田 純一
藤崎 圭一郎
グルーヴィジョンズ

------------------------------------

『祖父江慎インタビュー』
●ふだんから「ゆとりのある生活を送ること」
切迫した状態では、何も見えなくなります。そうしてつねづね「いいよな」と思うこと。気持ちを閉ざさず、聞いていること。自分だけの価値観ってやつに惑わされないこと。人にも現象にも、ご挨拶をちゃんとすること。自分でないもののなかにも自分を置いてみること、です。 28

●言葉では表現しにくいところを見つめて
あるいは、失敗したものとかダメなものに対しても、正しくないからといって目を背けないで、自分も正しくない状態になって味わってみることだって大事です。たとえば、かかとのすり減った靴を見たら、みっともないと思う前に「あの人の靴がすり減っているのは、きっとこうして歩いているからかしら? 腰がわるいのかしら? それとも、ふざけ歩きが好きなのかしら?」とかイメージしながらウットリする。いろんなところを見て、ウットリすればいいんですよ。デザインって、言葉にならない微妙なところを扱うので、言葉では表現しにくいところを見つめてほしいと思いますね。 29

●プランの立て方の秘訣 30
これはプランの立て方の奥義で、めったには教えないんですけれど、今日は特別大サービス!(笑)まず、「優等生だったら、どういう形にするか」というのをシュミレーションしてみます。(中略)次は「まさか、これはダメだよね」っていう劣等生アイデアを描きます。
(中略)
「ありえない形」を考えるんです。(中略)
「まさかダメ」案のほうが、正しいことだってたくさんあるんです。(中略)
「まさかダメ」案がいろいろ出てくると、そのなかに「これって、この内容にはピッタリなんじゃないか?」っていうのが隠れてることがあるんですよ。同時に、いままで当然と思われていたことが疑わしくもなってきます。隠れてるのをみつけたら、そこから「ステキな出会い」に引っ張ってゆくんです。

●文字の適切なサイズ 38
文字にしても、その書体にはいちばん適当なサイズがあるんです。(中略)このへんのことは身体感覚だから、身体性にも力点を置いてもらいたいと思う。若いデザイナーに欠けがちなのは、サイズ感覚なんですよ(中略 ―― 縮刷版や拡大版に見えちゃう)。

●すべてをキチンとしない 39
レイアウトの作業のときは、すべてをキチンとしようとしすぎると、よくないんですよ。どこか「どうでもいい」ところがいちばん大切ですよね。細かいところをキチンと決めていくのは、実はあいまいさを演出するためのものなんです。よりストレートなあいまいさの効果を高めるためには、キチンとしたところを本当にキチンとしておく。でもそれは、計算ずくではおさまらない「愛」のような部分を伝えるためなんです。(中略)こぼれていってしまうものを少しでも伝えるためにも、キチンとした細かい設定が必要なんです。

●ボケのブック・デザイン 42
―― 祖父江さんは、荒俣宏さんの本のブック・デザインを何冊か手がけてらっしゃいますが、荒俣さんから「祖父江さんのデザインにはスキがあっていい」と褒められたそうですね。
祖父江 内容を保持して次世代に渡す本というのは、しっかりした造りで形もカッチリしたものになるけど、「広く流通して読者との対話関係を持つための本は、なるべくスキが多いほうがいい。ボケとツッコミでいえば、ボケのデザインであるべき」ということを荒俣さんがおっしゃっていて、「ボケのブック・デザインができるのは、祖父江くんしかいないんだよ」って不思議な褒められ方をしたんですよぉ。

『角田純一インタビュー』
●手描きのようなロゴ作り 58
―― このロゴはどうやってつくったんですか?
角田 書体の名前は忘れちゃったけど、ロゴには使わないような書体にエフェクトをかけてグチャグチャにして、それを読めるところまで修正しながら手でトレースして、またMacに取り込んで使ってます。
(中略)
昔はみんな手でレタリングしてたわけだから、それを思えば、そんなに手間じゃない。(中略)わざとちょっとバランスを崩しておく。じゃないと、コンピューターがつくったものになるから。人間の眼って、ちょっと曲がっているほうがまっすぐに見えたりするでしょう。(中略)最終的には自分の眼で見て決めないと。

●迷ったとき、いいと思ったほうを選ぶな 70
うちのアシスタントによく言うのは、ってことですね。「自分の知識とか経験なんてたかが知れてるんだから、それで判断するな」って。すぐに「いい」と判断できるものって、たいていすでにあるものと似てるんですよ。(中略)偶然みたいなもの、、予想していた以上のものが入ってこれなくなってしまうので、その点は僕自身も注意深くやってます。自分でも「本当にこれでいいのかな」くらいのものを出すようにしてます。
(中略 ―― 公約数的なデザインはやってて退屈になってく。同じことを繰り返してもしょうがない)

●みんなと違うことをやっている人は認知されやすい 70
不景気だから、みんな保守的になって、安定したものを選びやすい。でも、だからこそ、今、みんなと違うことをやっている人は認知されやすいので、若い子にとってはすごくいい時期だと思いますよ。

●アシスタントの方によく言うことは? 71
「文字や絵のない部分がきれいに見えるか、気をつけろ」ってことは言います。(中略)
余白を積極的に見るという考え方もあるわけで。いい作品を見ると、そうなっているんですよ。(中略 ―― たとえばヨーゼフ・M・ブロックマンの余白の部分への意識。何もない部分の存在感がすごい。無駄なことを何もしてない)いかに余計なものを削ぎ落とすか、ですよね。
――
角田さんはグリッドシステムやコンセプトを根拠にしたシステマチックなレイアウト・デザインはやらない(ことが多い?)ので、外国人から「どうやってる?」と質問されるらしい。そのたびに「なんとなくだよ」と答えるしかないんだけど、「そんなのありえない」と驚かれるとも。

------------------------------------

祖父江さんのデザインをまとめて見てみたくて手にした。でも中身はインタビューがメイン、そうか……と本を閉じかけたのに、デザインの上手な赤塚不二夫のような祖父江さんのブックデザインについての語りにほだされ、きづいたら全部読んでいた。
「・・・だからデザインってすんごいおもしろいんよね~もうおもしろくっておもしろくって可笑しくなっちゃいそうだよね~」とくしゃくしゃになってしまうご様子が文字の向こう側に見えるよう。
驚いたのはこの話 ―― 案件ごとに頭のなかに架空のスタッフを発生させ、そして「彼ら/彼女ら」に作業させるらしい。
そんなデザイナー、ほかにいますか!?

(インタビュー抜粋/要約)

この本をデザインするならどんな人がデザインしたらいいのかを考えて、その人になりきりながらデザインしているので、僕の本は毎回ちがうデザイナーが作っているんです。たとえば、夜遊び好きの人が漉いた紙がいいとか、筋肉ムキムキの人がDTPオペレートするといいとか、あとは壊れた機械でつくった感じが合うとか。そうやって本の制作に関わるスタッフや状況を自分のなかにどんどん増やすんです。そうしてるといつのまにかイメージが決まっていきます。

こういうのはデザインしながらじゃなくて「ほかごと」をしながらの空想がいいですね。机やモニタに向かってるとどうしても発想がレイアウト的になってしまってダメです。

視覚的なデザインよりまえに造本設計(=触覚など肉体感覚)と本文レイアウトのフォーマット(=空間)を作ります。それからサムネール(=時間:住居空間)。これがブックデザインの三種の神器。

古臭い本文組みにするなら天地の余白を大きくとる、これで知的で古めかしくなっていく、余白が小さいほど最近の感じ、あるいは頭が悪い感じになっていきます。もちろん素材や空間などさまざまな組み合わせでそれぞれの効果は出せます。

文字にしてもその書体にいちばん適したサイズがあるんです。デザイン全般に言えることだけれど、若いデザイナーはもっと身体感覚を養ったほうがいいと思うことがよくあります。あと、愛の余白、すべてをきっちりとレイアウトしないほうがいいです。

だいたい最初のプランは通らないです。通ることってまずないです。だから、フラれたらすっぱり諦めること!そうじゃないと前のイメージを引き摺った中途半端なデザインになってしまいます。

自分らしいデザインができるようになったら、デザインの本質から自分がズレはじめていると警戒すべきなんです。




●関連記事URL
デザインMEMO
http://bibobibobibo709.blog.fc2.com/blog-entry-63.html


関連記事
スポンサーサイト
グラフィックデザイナー仕事祖父江クラフトエヴィング商會角田純一

Comments - 0

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。