和歌山バガボンド  ~読書と木工、ときどき空想~

黒髪ボブの三十路ピーターパンがWakayamaライフを着流しでスケッチ

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最終講義/中井久夫(1998)

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●ゆとりを貯める
回復につれて、患者は「あせり」の減少と「ゆとり」が生まれ増大することを自分でモニターすることができるようになります。初期にはせっかく生まれた余裕をつまらないことに使ってしまう場合が多いので、それを「貯める」という助言も必要です。 25

●仕切りなおし
病気というのは「人生の仕切り直し」の機会ではありませんか。 31

●模索期 35
基本消耗期がほぼ終わったころ、生活再建をいろいろ提案する時期があります。一日のうちに、あれもやりたい、これもやりたいと言ってくるわけです。これは「模索期」で、ここでさっそく実行してもみのりません。
重要なことなら「三週間待ってあなたの気持ちが変わらなければ私から親なら親に頼んであげよう」と私は言います。
やりたいことはだんだんしぼられてきます。
三週間ぐらいたって気持ちがかわらなければ、まず「実験」としてやってもらうのがいいでしょう。こうした意識づけは社会復帰の挫折感を予防します。

●回復初期には心身症が出現しがち 37
むかしの自動車がエンジンのかかりはじめにガタガタと音をたてていたように、あるいは電気のスイッチを入れた瞬間の電圧の揺れのように ――

●回復における作用・反作用 65
回復とは一方向に進む過程と私も考えてきました。
しかし、一般論として ―― 作用には必ず反作用が伴ない、この反作用は回復への歩みを打ち消すことによって、いやおそらく時にはそれ自体の持つ力によって回復のコースを慢性化へと曲げてゆく可能性があります。
治療行為、薬物、環境変化、夢や思考や症状の変化 ―― 慢性状態を変えようとするあらゆる作用は、必ずそれを打ち消そうとする内力を発生させます。
慢性状態のほうが回復途上の状態よりも安定性が高いとすればいったん成立するとワナのように抜けにくくなりかねません。
では、システムはまったく動かせないのか?
そうではない。作用点と反作用点とが違うから、システムは動くのですし、精神健康の回復と下痢症状のように、作用点から離れた反作用点(ほとんど精神健康に害とならない)であれば後腐れはほとんどない。
また「揺り戻し」が回復期や慢性状態からの離脱過程にしばしば起こりますが、これは反作用として眺めず、回復の全構図の中に収めるほうが実りあるでしょう。


●中井久夫氏から、一般に生活再開に当たっての助言 141
------------------------------------
1.同時に新しいことを二つ始めない。
2.一日のうちでは、11時ごろ、14時ごろは眠くなるのは自然。精神のアンバランスや鬱、薬のせいだと思わない。
3.仕事を始めた一日、一週間、一ヶ月は長い。すこしづつ慣れるもの。
4.七日目、三〇から四〇日、九〇日から百日目、それから三ヶ月ごと、一年目。このあたりは疲労しやすく、仕事がやめたくなる。それも自然なこと。一時的だから、ペースをゆるめるか、すこし休むと力が出てくる。「もうダメ」と思う必要がない。一年持てば三年持つ。そのあとは仕事との相性だろう。
5.眠りでも仕事でもなんでも、48時間で考えればいい。一日辛くても二日目は落とせば、収支はあう。体もおおよそ大丈夫。
6.二日眠らずにやって、三日目にさらに「冴え」を感じたら、それは残念だが神経症や精神の不均衡が再発したサインです。きちっと休んで、考え直しましょう。
7.楽しいことも、幸せなことも、実はそれなりに疲れる。
8.治療という大仕事をやっているのだから、無理がかかっていても不思議ではないし、「人並み」という観念にとらわれないように。



「つながり」の精神病理/中井久夫(2011)
http://bibobibobibo709.blog.fc2.com/blog-entry-50.html


こんなとき私はどうしてきたか/中井久夫(2007)
http://bibobibobibo709.blog.fc2.com/blog-entry-47.html


「伝える」ことと「伝わる」こと/中井久夫(2011)
http://bibobibobibo709.blog.fc2.com/blog-entry-44.html


「思春期を考える」ことについて/中井久夫(2011)
http://bibobibobibo709.blog.fc2.com/blog-entry-43.html





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